「うつ」っていろいろ考えちゃう!

回復傾向にあるうつ病患者「ぽん」の あれやこれやなんやかんや

泣く。

 

皆さん、最近はいつ泣きましたか?

 

特に、「感動」して泣いたのは、いつですか?

 

私は実は最近、「感動」によって泣いた覚えがありません。

 

でも、一つ、

 

あの時は本当に感動したなあ……涙ってあんなに自然に出るんだなあ……

 

と、思い出せる涙の記憶があるのです。

 

ちょっとだけ、お付き合いください。

 

 

 

 

 

うつ病」となり(当時は適応障害の診断だけでしたが)、

仕事を辞めたばかりのことです。

 

私はすっかり気力を失い、

 

毎日家の中で過ごして、寝るか、食べるか、という、とてもぐーたらな、

 

最低限の動きしかしない生活をしていました。

 

もうすっかり何にも興味も関心もなく、

 

出来るだけ他人との接触を避けていました。

 

 

 

そんなある日、ふと、頭の中に映像が浮かんだんです。

 

 

エメラルドグリーンと、ターコイズブルーの、遠目から見ると、まるでおいしそうなソーダ味のゼリーのように見える、

 

 

田舎の川の映像です。

 

 

その映像には覚えがありました。

 

母の生まれた場所です。

 

そこには昔、母の父、つまり私の祖父が住んでいて、

 

子供の頃夏休みに遊びに行って、

 

泳いだり、素手で魚を捕まえたりしました。

 

私は母に、

 

そこに行きたい 

 

と伝えました。

 

私が気力を失ってから、初めて自分から「外に出る」という意思を示したわけです。

 

母は喜んでその週のうちに私を連れて行ってくれました。

 

車で田舎に続く道を進んでいる間も、私はぼーっとするか、振動に身を任せて眠っているかでした。

 

 

時期は冬を迎える一歩手前。

 

流石に寒いので川は途中の橋の上から眺めることになりました。

 

コンクリートと金属の、すこし茶色い錆びとコケがついた橋から。

手で触れると、少し指先が黒く汚れるような、古い橋。

 

先に母が覗き込んでいました。

 

「わあーーーきれい!!真っ青!!」

 

後ろから、のろのろと私。

まるで夢のように、自分を遠くから見ている気分でした。

 

でも、橋から川を覗き込んだ時、

 

隣で私を見ていた私が、スッと私の本体に入ってきたような気がしました。

 

綺麗でした。とても。

 

綺麗だったんです。

 

それ以上の言葉はなかったです。頭には何の表現もなく、複雑な思考もなく、

 

ただ、綺麗。

 

 

「綺麗だねー……」

 

 

とぼんやり呟いていました。

 

 

 

少し山の上の方に行くと、ちょっとした、こじんまりしたテーマパーク(自然公園??)があります。

 

ついでです。ちょっと行ってみよう、ということになりました。

 

 

風が強く、寒いです。

 

私は寝巻きのままの姿に、ダウンジャケットとショートブーツ。

まあまあ我慢できるぐらいの寒さでした。

 

数少ない遊具では何人かの子供が遊び、

 

広場のベンチではショップで購入したであろうファストフードを食べる親子連れがいました。

 

花はほとんどありません。時期が時期でしたから。

 

それでもぽつぽつと小さく咲いている花たちもいました。

 

 

 

山の上にあるパークなだけあり、眺めは最高でした。

 

空気も澄んでいるのを感じて、

 

山の上にいるのに呼吸がしやすかった。

 

 

 

私は一人で、何もせず、木でできた柵の上に腰掛けて景色を眺めていました。

 

そうしながら泣いていました。

 

大粒の涙……、なんかではなく、じわりと少しだけ。

 

 

感動していました。

 

綺麗だな、気持ちいいな、

 

あんなに他人に妬みを覚えていた私が、

 

周りで楽しげに過ごす人のことなんて、ちっとも意識しませんでした。

 

 

 

私は私が「感動した」ということにも感動していました。

 

まだ、こんな風に感じられるんだな、と。

 

 

 

私はその当時、自分の中にある負の感情にのしかかられて、ぎゅうぎゅうと締め付けられて苦しめられていました。

 

とても逃げられないと思っていました。

 

でも、隙間から手を出すことはできる、と気づきました。

 

ちょっとずつ、押しのけていけるかもしれない。

 

そんな風に、確かに感じられました。

 

 

 

それから、何度かそのパークに行きました。

私が行こうと言い出し、

おにぎりでも持って行こう、

とまで言いました。

 

昆布と鮭の入った、ちょっときつめに塩を効かせたおにぎりと、甘めの卵焼き。

 

それだけのシンプルなお弁当。

 

時々飼い犬を連れて行ったりもしました。

 

 

いつ行っても風が強い所で、何もせず景色と花だけを見て、

 

お弁当を食べたら帰る。

 

したのはそれだけ。

出来たのはそこまで。

 

でも、確かに満たされ、充実していました。

 

 

それから私は一気に元気になりました…なんてことにはならず、

 

何度もうつの波に襲われては苦しめられる、を繰り返しました。

   

 

 

そんなでも人間は、私は、どんなに病んでも人間だったんです。

 

喜怒哀楽の感情があったんです。

 

苦しみだけ、他人への嫌悪だけ、

 

それだけになってしまったと思っていました。

 

でも、ちゃんとありました。感動する心が。

 

 

最後に、私が尊敬する方に言われた言葉を皆さんに知ってもらいたいです。

 

 

今、悩み苦しんでいる事こそが、

実はあなたがこの世に生まれてきて、この世界で勉強する課題なのかもしれない。

 

今あなたは大変な時だけど、そういう意味での人生設計から言えば、順調に進んでいるのだと思う。

 

だから、怖がらずに、いっぱい悩んでください。

 

そして、後に続く悩める人達に、足跡を残してあげてください。